防災のひと
- 栄子 宇田川
- 2 日前
- 読了時間: 4分
目次
-1:15年間、防災社会を見ていたけど。
-2:~の人
-3:「防災の人」たちは、いま
-4:防災の人…とは違う「伝承の人」
-5.じゃあ、わたしは、どこか。
-6.わたしたちは「戦争をしない」国民だ
-7.全員「はじめて防災」
-8.ブリッジをつくろう!
ー1:15年間、防災社会を見ていたけど。
東日本大震災から、15年が経過した。
わたしは、東日本の直後にマンションで
自主防災会を立ち上げたから、ちょうど15年ということになる。
自分たちの防災会に対してだけでなく、
防災社会そのものが、大きく変化したと感じているけど、
わたしへの周囲の言葉は、これかな。
「防災の人」
東日本大震災から、「防災の人」として、
地域防災リーダー、被災地ボランティア(かなりガチ)、
行政委託事業NPOとして活動した上で、
「家族そろって49日間ライフライン停止生活」を実施した。
いま、現場でさらなる混乱の声を聞いた結果、
論文を書いているけど、一方で「なんかモヤモヤしている」人へ、
その内容をくだいて書いてみようと思った。
-2:~の人
「~の人」という表現は「よくわかんないけど、そっち方面」という時使う。
外部からは、全般的にそうなんだろうな。
でも、そういう場合、内部は細かく役割が分かれていて
それが外部から見えづらいと「~の人」となる。
わたしは以前「宗教の人」とご近所で言われていたことがある。
実際は、鎌倉市文化財課で、鎌倉は中世考古中心だから、
仏像や仏教関係の絵画や筆跡などを担当していた。
業務としては「宗教の人」は間違ってはいないんだろうけど
「宗教の人」から想像するメインイメージ「教祖様」からは遠ざかる。
-3:「防災の人」たちは、いま
おそらく、現在の「防災の人」たちは、3つの層で構成されている。
1.制度防災:①行政 ②委託事業者:制度に沿って実施支援する(NPOや委託企業)
2.研究防災:学術研究として制度をつくるための参考文献を作成する
3.現場防災:①自主防災会を中心とした地域組織 ②災害支援プロ ③技術
「防災の人」の中には、制度防災と災害支援プロ、
また、研究防災と制度防災のように領域をまたぐ人もいる。
問題は、断絶されてしまう部分だ。
特に断絶されやすいのが、
3.現場防災①自主防災会⇔3.現場防災②災害支援プロ
この2つの間である。
なぜなら、現場のプロは
「言葉にすること」
「文字化すること」
が基本的に得意ではない。
だから、現場の担い手として行政が期待している地域チームには、
ワンクッション置いた「文字化するのが得意な人」が研修を行うことになる。
-4:防災の人…とは違う「伝承の人」
地域からよく聞く「防災講和」の声は。
「講師を呼びたいけど誰がいいのか分からない」
「講師を呼んだら質問に全く答えられずイライラした」
そのようなご相談が多い。
じつは、以下の三分類のいずれにも入らない
「伝承の人」という活動の人がいる。
1.制度防災(プロポーザル受託):制度に沿って実施支援する(NPOや委託企業)
2.研究防災:学術研究として制度をつくるための参考文献を作成する
3.現場防災:①自主防災会を中心とした地域組織 ②災害支援プロ
4.伝承活動:SNSやワークショップ等で、見聞きしたことを広める人
昔の言葉でいうならば「琵琶法師」「吟遊詩人」というカテゴリだ。
琵琶法師の動きを考えると分かりやすい。
彼らは合戦において戦うわけではなく、参加した人々の記憶や
談話をもとに「伝承をつくる」ことがミッションだ。
歴史的にふりかえると、そのような「記録係」を戦地において記録させ
記録係を守るチームを編成する…という場合もあるが
多くの場合は「事後の記録」になることが多い。
ただ、その意義は大きく、琵琶法師の話が1000年後に伝承されていることを思えば
彼らのミッションが「長期未来へのメッセージ」であることが分かる。
一方、地域が知りたいのは「防災備蓄庫の鍵は誰が開けるのか?」
「避難所に配備職員が来ないときはどうすればいいのか?」
いわば「現場運用のふきだまり」だ。
これは、合戦でいえば「鎧のつけかた」「弓矢の使い方」で
琵琶法師に聞いても回答が得られるわけではない。
「伝承の人」のメッセージは先に述べたように、1000年先に届く。
それを目的としているから、エビデンスも1級資料ではない。
あくまでも「伝承」だから、それでいい。
理念のある「ものがたり」を1000年先へ届けるのだ。
逆に言えば「伝承の人」が軍曹になろうとしたり、
研究者だと勘違いすると、現場は混乱する。
「伝承活動」の人が自らのミッションを理解していないことにより、
地域が混乱する事例は少なくない。
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